昭和15年(1940)ごろ、厚沢部川支流、佐助沢の川底で発見されました。化石の多くはまだ岩盤の中に埋まったままです。
発掘された化石からは下顎骨、胸椎、肋骨、肩甲骨、上腕骨、橈(とう)骨、尺骨、手根骨などが確認されています。骨格からはヒゲクジラのものと推定されますが、決め手となるアッサブクジラの頭部は岩盤中に埋もれたままです。
化石の産出した地層の時代は600~700万年前の中新世後期と考えられています。北海道内では、この時代のヒゲクジラ化石の産出例は淑なく、アッサブクジラは貴重な標本です。この化石の研究が進むことで、日本近海でのクジラの生態ばかりでなく、世界のクジラの進化や系統を考えるうえでも貴重な情報を手に入れることができると期待されています。