カニカン岳金山跡
カニカンダケキンザンアト
江戸時代前期(17世紀中葉)の金山遺跡で、これまでの調査によりカニカン岳中腹の標高約600m付近に鉱石の粉成等の作業が行われたテラス(人為的な平坦地)があり、それよりさらに高位面に鉱石の採掘域等の存在が確認されている。また、南麓を流れる茶屋川の源流部付近で鉱山臼2点、北麓のベタヌ川付近で鉱山臼1点が採集されている。茶屋川採集の2点は定形型、ベタヌ川採集のものは黒川型とされ、いずれも美利河地区の文化財保管・活用庫で保管している。
本格的な調査は行われておらず、具体的な内容はよくわかっていない。
なお、カニカン岳はアイヌ語「カニカンヌプリ」に由来し、「金を取る山」という意味である。
■参考文献
坂倉源次郎 1739年『北海随筆』
寺崎康史 2013年「カニカン岳金山跡」『日本の金銀山遺跡』所収
(財)日本ナショナルトラスト 1996年『美利河・花石の砂金採掘跡』
矢野牧夫 1988年『黄金郷への旅』北海道新聞社