みそぎの浜
ミソギノハマ
天保2年(1831)1月15日の早朝、佐女川神社の神社守の夢枕に「御神体を清めよ」とのお告げがあった。そこで神社守は神社の真下を流れていた佐女川に張った氷を砕き、その冷水を浴びて自分の身を清め、御神体を抱いて海岸を臨んだ。すると、川口に大鮫が横たわり、波に打たれていた。その背中の上には白衣をまとった美しい女性の姿があったという。神社守が御神体を抱いて海中に入り、幾度となく水ごりを行うと、女性の姿は見えず、大鮫は上流へ上り、小さな沼(佐女沼)に姿を消したという。その年から村は豊漁豊作に恵まれ、大変賑わった。
以来、村では若者四人を選び、行修者として冷水を浴び体を清めることとなった。最終日(現在は1月15日に行われる)には「別当」「稲荷」「山の神」「弁財天」の四つの御神体を抱いたまま極寒の津軽海峡へ飛び込み、一年の豊漁豊作を祈願する神事として受け継がれている。