■碑文
(表)
戦骨全収海勢移紛華誰復記當時鯨
風鰐雨函山夕宿草茫々碧血碑
明治三十四年八月来展題之 東京鴨北老人宮本小一
■解説
碧血碑のそばにあるこの碑は、明治初期に外交官として活躍し、のち元老院議官、貴族院議員等を歴任した宮本小一(1836~1916)が、1901年(明治34年)8月に、碧血碑を参詣したときの次の詩が刻まれている。
戦骨全められて収り海勢移り
紛華誰か復た当時を記せん
鯨風鰐雨函山の夕
宿草茫々たり碧血の碑
後に石川啄木も、この碑を題材とした「函館の臥牛の山の半腹の碑の漢詩もなかば忘れぬ」という詩を残している。
■参考文献
「いしぶみ」西部編(函館市役所土木部公園緑地課 1982年)、「函館市史資料集」第27集・第46集(函館市史編纂委員会)、「道南の碑」(永田青雲 幻洋社 1996年)、「朝日 日本歴史人物事典」(朝日新聞社 1994年)