古峠の庚申塚
フルトウゲノコウシンヅカ
庚申塚とは、もともと中国の道教に由来する庚申信仰に基づいて建てられる石塔のことで、3年間18回続けたことを記念して建てられることが多い。
この庚申信仰は、人間の体内にる三尸と呼ばれる虫が、庚申(かのえさる)の日に抜け出して、天帝にその人間の悪事を報告しに行くため、庚申の日は夜通し眠らずに勤行や宴会をしたりする風習である。
しかし、実際には庚申講員となる地域住民が寄合い、時間を共にすることで、互助精神を向上させ、地域内の連携を高めることが多く、本来の信仰を深めることを目的にすることは少ない。このような意味では、庚申の石碑は宗教的な意味合いよりも、民俗、風習的な意味合いが強く、地域の生活を示す歴史遺産として捉えられている。この場所には、計7基の庚申塔がまつられており、古いもので、天保14年(1843)、嘉永3年(1850)ものが建立されている。すでに庚申講は閉じられてしまったが、今でも石碑は残されている。